「知多半島をめぐる(GO AROUND THE PEN.)」をテーマに、2022年冬(11~1月)から2023年春(2~4月)にかけて撮影した写真の中から、40点を公開します。写真に付随する番号は「知多半島をめぐる」シリーズの通し番号、キャプションは、写真のひと言説明です。
<ノート/2022年の冬から2023年の春>
コローの絵が好きだ。秋から冬にかけて、夕暮れ前の雑木林を歩いていると、目の前の木々の様子がコローの絵に描かれている木と、そっくりに見えることがある。およそ200年前のフランスで、自然を愛し、自然をよく観察して創作した画家のまなざしと、自分のまなざしが重なり合った気がして、嬉しくなる。
木の高さについても、そう。写真を撮ることに集中する時は、一人で雑木林に入る。コローの絵に描かれているように、人を画面に入れて、木の高さを比較することはできない。けれども、毎月行っている観察会のとき、木を見上げている人を入れて写真を撮ると、「一本一本の木というのはとても高いのだな」と、当たり前のことを思う。コローの絵に描かれている木も、誇張されていない。枝や幹が、まっすぐだったり、ねじまがっているのも目の前の木と同じだ。「誇張せず、写真を撮る」というのは難しいけれども、できるだけ自分が美しいと思い、目にとまった風景や生きもの、木の実や草花を、そのまま撮りたい。
冬場は、乾いた光のなかで木の実の鮮やかさが目にとまる。立春が過ぎ、3月を経て4月になる頃、目に留まるのは、木の実から、草の花や木の花へと移っていく。